レースのハンカチーフ
レースのハンカチーフ
500年以上前から人々の生活に彩りをそえてきたレース、レースの始まりはドレスに空いた穴を糸でかがって出来た模様から発展したという説、布の端がほつれない様に編み込んで美しい模様になったなど諸説あります。
昔はとても高価で貴重なものでした。職人が上流階級の人々の為だけに手作業で膨大な時間をかけて1枚のレースを作り込んでいましたが、今では大量生産出来るよう機械化され、誰もが楽しんでファッションや生活雑貨に取り入れられるようになりました。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーでも色々な種類のレースで縁を飾った繊細で上品なハンカチーフがたくさんあります。
レースの種類と共にご紹介していきます。
レースの種類
レースには機械レースと手編みレースがあります。
機械レースはレース機械の種類によって、エンブロイダリーレース、リバーレース、ラッセルレーストーションレースに分類されます。
表にしました。
機械レース
機械レースの中にはエンブロイダリーレース、リバーレース、ラッセルレース、トーションレースがあり、それぞれ機械の種類と作り方が違います。
エンブロイダリーレースとは
エンブロイダリーレース機で生地に刺繍を施して作られるレースの総称、刺繍する生地の種類によってチュールレース、ケミカルレース、綿レースの3種類に分類されます。
チュールレース
チュールとはチュール生地を生産していたフランスの地名に由来し、チュール生地(ネット状の網目のある生地)に刺繍をしたレースです。柄やステッチの複雑さや使う糸量によって繊細で美しいレースが出来上がります。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーの中で人気の高いハンカチーフ、「ホワイトドレス」はチュールレースをドレスに見立てベトナムの手刺繍と一緒に止めつけています。
ケミカルレース
水やお湯で溶ける生地にエンブロイダリー刺繍機で刺繍を施し、最後に生地を溶解して糸刺繍の柄の部分だけを残したレースです。生地を溶かした時にバラバラにならないよう糸を繋げてデザインします。細い糸は繊細なレースが、太い糸では立体的にボリュームのあるレースといったように様々な表情を持つ豪華で高級感漂うレースがつくれます。生地の部分がなくなるので複雑な形が出来るのも特徴です。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーではケミカルレースのバリエーションがたくさんあります。
その中でも人気の「小鳥レース」はイタリアのアンティークショップで買った古いレースからのインスピレーションで作られました。
又、ハンカチーフの縁に付ける際にレースの継ぎ目が見えないよう特別な職人の技術で繋いでいるレースハンカチーフもあります。
「天使レース」は太巾のケミカルレースの中に天使がたくさんかくれています。
綿レース
綿の生地にボーラーという錐(きり)で穴を開け穴の周りをかがりながら刺繍をしていきます。ボーラーレース又はアイレットレースと呼ばれています。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーではこのボーラーの穴を使い細いリボンを通してハンカチーフにキュートな立体感を持たせています。
リバーレース
1813年にイギリスのジョン・リバーによって発明されたリバーレース機で作られるレース。1万から2万本の細い糸を撚るようにして複雑な模様を作っていくレースです。
細い糸をたくさん使っているので機械の速度も遅く熟練した職人の手が必要です。複雑な組織で繊細な表情を生み出すリバーレースは機械レースの中でもっとも高価なレースとなっています。以前はヨーロッパ、フランス産が多かったのですが、今ではほとんど作られておらず、日本では栄レース株式会社が150年前からの機械を大切に使い世界でトップの生産量を誇っています。ウェディングドレスや高級ランジェリーに使われることが多く、可憐で美しいレースはいつの時代でも人気を博しています。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーでもリバーレースを使ったハンカチーフがあります。ハンカチーフの生地は繊細なリバーレースに合わせ綿シルクを使用光沢が美しく軽やかな素材です。
この薄く繊細な素材にリバーレースを縫い付けるのがミシンでは難しく、ベトナムでひと針ひと針手で止めつけました。
バラモチーフのリバーレース4枚をスカラップのハンカチーフの上にのせ周りを手でかがって止めつけています。
10cmほどの太巾のリバーレースをスカラップで縫製されたハンカチの縁にギャザーを寄せながら手で縫製した1枚です。ボリューム感がありながら繊細で軽く淑やかなハンカチーフが出来上がりました。
ラッセルレース
リバーレースと間違えやすいのですが、リバーレースをもっと単純に安く作れないかと考案されて出来たラッセルレース機(縦編)で作られるレースです。早いスピードで大量に作られるので価格も安く一般的によく使われていますが繊細さと手触りなどリバーレースとは全然違います。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーでは時々デザインの一部分に使用することがあります。
トーションレース
中世ヨーロッパの貴族の間で流行ったボビンレースを機械化したものです。太めの糸で編まれた粗い編み目のものが多く、レースの巾は20cmぐらいまでの細い巾が特徴です。中にはシルクの細い糸を使い繊細に編み目を出し高級感のあるレースもあります。
クラシクス・ザ・スモール・ラグジュアリーではトーションレースを使いナチュラルでさりげない縁飾りにしたり、柄を描いたりと細巾のレースを工夫して使っています。
レースの種類や使い方によってハンカチーフの表情も変わってきます。
カジュアルに普段使い、ちょっとしたパーティー、ここ一番のウェディングパーティーにと使うシーンも様々です。
素敵なレースのハンカチは1枚は持っていたいもの。
バッグから現れるエレガントなレースのハンカチーフで、感動のシーンの涙を拭ったり、口元に添えて大笑いしたり・・・
何気ない日常から大切な節目の1日まで、様々なシーンを思い出で彩るレースのハンカチーフをこれからも作り続けていきます。