海島綿(Sea Island Cotton)とは
「海島綿(西印度諸島産シーアイランドコットン)」とは
クラシクス・ザ・スモールラグジュアリのハンカチーフに使用している海島綿は、西インド諸島の限られた地域に生育する超長綿です。
超長綿とは読んで字のごとく、とても長い繊維の綿です。普通の綿の繊維長が20~25mmであるのに対し、超長綿は繊維長35mm以上のものを指します。その超長綿の中でも、トップレベルの繊維長をもつのが海島綿です。
繊維長が長いと糸を紡ぐさいに撚り回数が少なくて済むので、柔らかくしなやかな糸ができます。また、つなぎ目が少ないので強度の高い糸になります。
海島綿製品の耐久性・吸水性・放湿性の高さとなめらかな肌触りや光沢は、この繊維の特性に起因しています。また、海島綿は超長綿の中でも素材自体に含まれる油分が多いので、洗濯を繰り返しても比較的長く、その風合いを保つことができます。
お気に入りのハンカチとして、繰り返し使っていただける十分な耐久性を備えておりますので、永くご愛用いただけます。
「海島綿」の希少性
海島綿が栽培されているカリブ海地域には、
- 年間平均気温26~28℃
- 昼夜の温度差が少ない
- 年間総雨量1,100㎜~1,200㎜
- 年間総日照時間3,000時間以上という気象条件
- 棉木の発芽成長期が雨季、開花時期が乾季という気象サイクル
- さらに水はけの良いアルカリ性の土壌
など、均一で節の少ない優れた綿が育つための、いくつもの条件が揃っています。
一般的に高級綿と言われている超長綿の収穫量は全綿花の約1.7%ですが、海島綿はその超長綿全体の中で0.01%しかありません。つまり、綿全体の中では数十万分の一しかないのです。
棉木が下から熟していくこの綿花の特性上、手摘みでしか収穫できないため、今後農業の技術革新が進んでも、飛躍的に収量が増えることはないと言われています。カリブ海地域だけに育つ、まさに神様からの贈り物なのです。
海島綿のサステナビリティ
私たちが製品に使用している海島綿を取り扱うシーアイランドクラブ株式会社は、栽培委託をする農家の労働環境や、栽培時の環境負荷に配慮し、委託先の農家で生産された海島綿は全て買い取っています。
紡績時は再生可能エネルギーだけを使い、綿だけでなく糸作りにおいても環境への負荷が少ないものづくりをしています。
糸になった後も、海島綿は素材ブランドとして商標が設定され、製品には原則として商標入りのタグがつけられるので、「畑から店頭まで」トレーサビリティが整っています。品質とは別の面でも、生産過程の履歴が切れ目なく追える、注目の綿素材です。また、糸の中の残存有害物質の有無を調べる世界的な検査基準「エコテックススタンダード100」の中でも、乳幼児向け製品に安心してご使用いただけることを保証する「Class1」を取得しています。
王侯貴族たちを魅了した世界最高級綿
英国王室御用達の素材としても知られる海島綿。あまりにも素晴らしい品質とその希少性にゆえに、英国により200年間にわたって門外不出とされていた海島綿は、1975年エリザベス女王夫妻が来日されたのを機に、日本にもようやく原綿の輸入が認められました。現在は日本国内(長野県大町市(株)近藤紡績所)で紡績され、ハンカチーフもその糸を使って作られています。
海島綿商品は、108色もの豊富なカラーバリエーションを揃えた「SICカラー」や、ハンカチとタオルの中間のような程よい厚みの「mico」、お手入れの簡単な「タオル」の3タイプをご用意しております。