ベトナム手刺繍のハンカチーフ
ベトナム手刺繍のハンカチーフ
古くから手刺繍文化が受け継がれてきたベトナム。
19世紀の終わり、フランス文化の華やかな刺繍技法とベトナムの丁寧で細やかな技術が融合し、新しい刺繍文化として開花しました。
ベトナム最後の王朝、グエン朝の都として栄えた古都フエ。歴史の彩りが今もなお残るこの街でベトナム手刺繍のハンカチーフは作られています。
街の中央を流れるフォン川。賑やかなホーチミンと異なりフエはおだやかな雰囲気の街です。
工房HONG PHAT ホンファット
創業32年の工房ホンファットでベトナム手刺繍のハンカチーフは作られています。
現在30人の職人さんが在籍しています。
工房内での刺繍の様子。
工房内の他に、子育てや家事の合間に自宅で刺繍をする職人さんもいらっしゃいます。
すべてが手作業
刺繍からヘムの縫製まで、すべて手作業で出来上がります。
1.下絵のプリント
刺繍後、仕上げの洗いで溶ける染料を使用。
2.ハンカチーフの生地を枠に張って刺繍
光沢のあるレーヨン糸を使用、120デニールの糸を2本取りにして刺繍します。
3.ヘムの仕上げ
スカラップヘム:刺繍のカーブに合わせて手でカットしていきます。
四角い縫製のフランスヘム
4.アイロン仕上げ
縫い終わったハンカチーフを手で丁寧に洗いアイロンで仕上げます。
刺繍部分は裏からアイロンをかけます。
刺繍の技法とハンカチーフ
刺繍のステッチからヘムの縫製まで、30種以上の技法とデザインを組み合わせてハンカチーフができあがります。
代表的な技術である盛り上げるステッチはバラや花びらの表現によく使われます。
針にくるくるっと糸を巻きコイル状にして縫いとめていきます。
一針一針職人の手加減による糸のふくらみ。
手作業なので一点一点わずかにモチーフの表情が変わります。
また、刺繍とカットワークを組み合わせたり、レースやリボンを使って新しい表現方法を取り入れています。
-MANY HEART-
立体刺繍、シャドウステッチ、カットワークなど、まるでステッチの見本帳のようにハートを様々な技法で表現。
-WHITE DRESS-
ブーケや帽子のバラは立体刺繍、ふんわりとしたスカートをチュールレースで施しアクセントにサテンリボンを使用したハンカチーフです。
刺繍糸の色数に制限がないのもベトナム手刺繍ならではの特徴です。
-フローラ-
刺繍糸を16色使いアスター、スプレーマム、トルコギキョウなど10種類の花を色鮮やかに刺繍しています。
こだわりの一枚
一枚のハンカチーフが出来上がるまで3〜4ヶ月。デザインと糸の配色、職人の細やかで丁寧な手刺繍の技術が調和しこだわりの一枚が出来上がります。
ひと針ひと針職人の手加減で生まれる糸のふくらみ、やわらかな風合いをぜひ一度手にとって感じてください。